学会・研究発表

随筆・著書

IABPに関するABC(2000年9月) IABPバルーンの種類とその性能評価 星野 俊一ほか

星野 俊一、高瀬 信弥

はじめに

IABPシステムにおけるIABPバルーン(以下バルーンと略す)は、直接生体内に挿入された適切な循環補助効果を得るために、より厳格な性能が要求される。IABPが導入されて以来、優れた臨床実績を揚げている一方で、数々の合併症も報告されているのも事実である。従って、バルーンには急速なバルーンの拡張と収縮といった単純な作動性能の改善に加え、一連の合併症予防も必然である。バルーンには、挿入時、駆動時、抜去時のそれぞれの時点におけるバルーン性能および合併症予防が要求される。すなわち、挿入時には操作上の点から、経皮的挿入のし易さ、蛇行血管への通過性と追随性(適切な柔軟性と堅さ)、挿入直後および駆動時の出血予防などが要求される。また駆動時には、適切なバルーン容量(適切なバルーン径と長さ)、バルーン材質の抗血栓性、駆動装置から送り込まれるガス圧に応じて瞬時に拡張・収縮する反応性(応答性)の良さ、長時間駆動に耐えうるバルーンの耐久性、石灰化動脈硬化などにおけるバルーン擦過に起因する破裂予防、および挿入血管側の血流低下による肢虚血の予防などが要求される。

Ⅰ .バルーンの分類と種類

現在の状況をみると,以前のようなバルー ン挿入方法による分類(外科的挿入用バルー ンと経皮的挿入用バルーン)およびバルーンの数(シングル,ダブルおよびトリプル)に よる分類はあまり使用されなくなった。これ に代わって現在は主に,留置時シースイントロデューサーを必要とするかどうかによって シースドバルーンとシースレスバルーンに分 類される。あるいは,従来の方法でシースを 使用するバルーンシステム(標準型)とシー スレスバルーンやシースに特殊な加工を施し て下肢血流を保つことのできるバルーンシステム(末梢循環温存型)などに分類されている。また成人用と小児用(外科的挿入用のみ) という分類もある。 加えて,上記分類の中でバルーン容量の異なる製品(成人用30,34,35,40ccおよび50cc。小児用2.5,5,7,12および20cc)が製作され ている。バルーン容量に関しては,日本人の 成人および小児の計測によるデータおよ びバルーンの動脈内における効率よい占拠率に関する研究データを基に設計されたバ ルーンが選択できる。

Ⅱ.バルーンの具備すべき性能と耐久性

バルーン性能におけるガス応答性については,各社バルーンとも大差はない。これは,バルーン駆動装置の性能も合わせて考える必要があるが,基本的には各社バルーンは他社製 の駆動装置にも対応(接続コネクターにて) し,ほぼ,同様のガス応答性を有している。一方で,小児用バルーンなどは高心拍数(150/ 分以上)にも対応した性能が要求される。またガス応答性については,心房細動などの不規則な高心拍数に追随できるかという点が,ーつのよい指標になるであろう。 バルーンの耐久性については,挿入操作,生体側の状態にも関係するが,バルーン破裂はおおむね6%以下と報告されている。破裂 した場合はバルーンの交換が必要であり,今後,より低い破裂率が求められるであろう。

Ⅲ.各社のIABPバルーンについて

日本国内では,現在5社からそれぞれ特徴のあるバルーンが販売されており,以下は各社ごとのバルーンについて記述する。

1 アイシン精機

1)バルーンの種類

アイシン精機ではセンサー技術を活かしたセンサー内臓型バルーンカテーテルを中心に表1のようなバルーンカテーテルの種類を用意している。

2)バルーンの仕様と性能

体の小さな患者にも使用できるようにバルーンの長さを短くしているタイプもある (表1)。膜素材は医療用ポリウレタンで,独自の成形技術により摩耗に強いバルーン膜を製作している。補助効果をあげるためにはガス通過が速くて,バルーン容量が大きいことが望ましいが,一方で侵襲性・取り扱いやすさも重視されている。これらが両立するように,セントラルルーメンに新素材を採用,また構造上の工夫によりバルーン先端チップに 血圧センサーを内蔵し,従来の自社の標準的バルーンカテーテルと同じカテーテル径 (9Fr.)で,同等のガス通過性を持つカテーテル(P1バルーン)を開発した(図1)。 一方,駆動装置では自動車製品を応用した ガス応答性で補助効果を高めると共に,従来対応できなかった不整脈パターンにも追従しやすくなった。このP1バルーンの血圧センサー信号をもとに駆動装置の自動制御ソフトと組み合わせて,システムとしてバルーン膨張・収縮のタイミング,血圧のゼロ点,バルー ン容量などの自動調整をはかっている。 特にaf(心房細動)などの不整脈追従性にはこのタイミングの自動調整は有効である。P1バルーンの血圧センサーは自社装置のみに使用可能であるが,バルーンカテーテルは 他社装置でも駆動可能である。血圧センサーの内蔵していないバルーンカテーテルとしてー般的なシース挿入型バルーンカテーテル,シースレス挿入可能なバルーンカテーテルは,他社駆動装置用に駆動チューブコネク ターを附属している。

図1 バルーン先端に血圧センサーを内臓したP1バルーン

表1 アイシン精機製IABPバルーンカテーテル
 
品名
P1
E1
A1
A1シースレス
バルーン分類
血圧センサー内臓
血圧センサー・ECG内臓
標準型
末梢循環温存型
バルーン
容量
32cc
40cc
32cc
40cc
32cc
40cc
32cc
40cc
長さ
195mm
245mm
215mm
245mm
195mm
245mm
195mm
245mm
外径
15mm
15mm
14.5mm
15mm
15mm
15mm
15mm
15mm
材質
医療用ポリウレタン
医療用ポリウレタン
医療用ポリウレタン
医療用ポリウレタン
カテーテル
外径
9Fr
10.5Fr
9Fr
9Fr
挿入有効長
705mm
685mm
685mm
705mm
材質
医療用ポリウレタン
医療用ポリウレタン
医療用ポリウレタン
医療用ポリウレタン
止血具
止血具の有無
なし
なし
なし
なし
長さ
シース
内径
10Fr
12Fr
10Fr
10Fr
長さ
110mm
170mm
110mm
110mm
ガイドワイヤー太さ
0.032inch
0.035inch
0.032inch
0.032inch
ガイドワイヤー長さ
145cm
145cm
145cm
145cm
他社装置とのマッチング
センサーは自社装置専用
センサーは自社装置専用
アダプターより接続
アダプターより接続
その他特徴
強いバルーン膜
強いバルーン膜
強いバルーン膜
強いバルーン膜
タイミング自動調整
タイミング自動調整
蛇行血管挿入性
蛇行血管挿入性
血圧センサー自動ゼロ補正
血圧センサー自動ゼロ補正
   

2 アローインターナシヨナル

アローインターナショナル社は1995年に コントロン・インスツルメント社IAB/IABP部門を継承し,その後ボストンサイエ ンス社およびバード社のカーディオアシスト部門を吸収合併して今日に至っている。

1)バルーンの種類

バルーンの種類を表2に示す。現在,国内 では,バルーン容量50,40,30ccの3種類のカテーテルがあり,一般的な使用として身長 190cm以上の大柄な患者(大動脈サイズ20mm以上)には,50ccバルーン(バルーン長:262mm,バルーン膨張時径:18mm),165 -190cmの患者(大動脈サイズ17-20mm) には,40ccバルーン(バルーン長:262mm, バルーン膨張時径:16mm),そして165cm以下の身長の患者(大動脈径16-18mm)には, 30cc(バルーン長:229mm,バルーン膨張時径:15mm)を推奨している。

2)バルーンの仕様と性能

生体適合性および抗摩耗特性が認められて いるカーディオンサン51を使用している。ま たバルーン膜自体は,X線不透過性である。 従来型のマルチサイズカテーテルは,バルー ン膜材質と同様にカーディオマット100を使 用している。セントラルルーメンはシリコンコーティングされたステンレススチールより 構成されている。30cc(8Fr.),40cc(9Fr)および50cc(10Fr.)は良好なガス応答性を示し ている。カテーテルはステンレススチールの ため,少し硬めになっている。 一方,ナローフレックスタイブは,カテー テルにはスーパーアローフレックス(ステンレススチールシートで補強し,表面をポリウレタンで加工してある)を使用している。セ ントラルルーメンにはチタンノニッケル合金 のニチノールを用い,カテーテルサイズを 8Fr.にダウンサイズしても,カテーテル挿入のし易さを確保している。ガスルーメンも従来のカテーテルと同じサイズで,ガス応答性 も維持されている。スーパーアローフレック スの持つ抗キンク性により,特に蛇行血管への優れた追従性を示している。このバルーンサイズには30ccおよび40ccの2種類がある。 またユニバーサルタイプは,ビールアウエイ止血デバイスがカテーテル上に取り付けら れており,またインサーションキットにも シースイントロデューサが組み込まれてい る。必要に応じてこのキットのみでシースレス挿入又はシース挿入のどちらかを選択することができる。シースレス挿入に際しては, 挿入後の出血を押さえる為の止血デバイスが取り付けられている。

表2 アローインターナショナル社製IABPバルーンカテーテル
シース挿入IABPカテーテル
品目
ユニバーサル マルチサイズ
ユニバーサル ナローフレックス
マルチサイズ
バルーン
容量(cc)
30
40
30
40
50
長さ(mm)
229
262
229
262
262
外径(mm)
15
16
15
16
18
材質
ガーディオサン51
カテーテル
外径(Fr)
8
9
8
8
10
長さ(mm)
775
825
775
825
825
材質
ガーディオマット/ステンレススチール
アロースーパーフレックス/ニチノール
ガーディオマット/ステンレススチール
シース
内径(Fr)
11.0
10.5
11.5
長さ(mm)
150
150
150
ガイドワイヤーの太さ
 
0.030
ガイドワイヤーの長さ
 
175
末梢温存型IABPカテーテル
品目
ユニバーサル マルチサイズ
ユニバーサル ナローフレックス
マルチサイズ・シースレス
バルーン
容量(cc)
30
40
30
40
50
長さ(mm)
229
262
229
262
262
外径(mm)
15
16
15
16
18
材質
ガーディオサン51
カテーテル
外径(Fr)
8
9
8
8
10
長さ(mm)
775
825
775
825
825
材質
ガーディオマット/ステンレススチール
アロースーパーフレックス/ニチノール
ガーディオマット/ステンレススチール
止血具
止血具の有無
あり
長さ(mm)
76
シース
内径(Fr)
11.0
10.5
なし
長さ(mm)
150
150
なし
ガイドワイヤーの太さ
0.030
ガイドワイヤーの長さ
175

3 データスコープ社(エドワーズライフサ イェンス社)

1)バルーンの種類

バルーンの種類とサイズバリエーションを 表3に示す。 データスコープ社は,1990年東京女子医科大学遠藤らの研究を基に日本で初めて日本人 の体格に合わせた小型バルーン(34cc)を製作した。当時バルーンの最小サイズだった 40ccは,多くの日本人患者には大きすぎると考えられたからである。その後さらに小柄な 患者用として25ccのバルーンが製作されて 現在に至っている。ー方,小児用は1歳末満の乳児から12歳位 までの小児(体重が3から40Kg位)を対象に設計されている。

2)バルーンの仕様と性能

現在成人用バルーンカテーテルのシャフト径はARMが9.5Fr.,TRUE8が8Fr.となって いる。特にTRUE8は,8Fr.のシースで挿入ができる,ダブルルーメン構造を有している。 フッピング時のバルーン径については,シャ フト径と同一になっているため,8Fr.のカ テーテルであれば挿入時のバルーン径も8Fr. である。 先天性心疾患を有する小児の開心術をサポートするため,データスコープ社は小児用のバルーンを開発し,2.5ccから20ccまで5種類のサイズが用意されている。不整脈や頻脈への追従性は,バルーンカテーテルの重要な条件である。すなわちバルーンの開き易さ と,カテーテルシャフト内のガス流動抵抗が追従性を決定している。データスコープ社では9.5Fr.のカテーテルの追随性を,8Fr.のカ テーテルにも同等に持たせている。これは,ー体型共有ルーメン構造(図2)により,外径を細くしながらガスの通る断面積を最大確保したことと,セントラルルーメンがカテー テルシャフトにー体化していることによる整流効果によるものである。成人用のバルーンカテーテルは,どのメーカーの駆動装置でもアダプターにより使用が可能である。小児用のバルーンカテーテルはデータスコープ社以外の駆動装置での駆動はできない。

図2 データスコープ社製一体型共有ルーメン構造

一体型共有ルーメン構造(左)と一般的なダブルルーメン構造(右)

表3 データスコープ社製IABPバルーンカテーテル
 
品名
ARM
TRUE8
カテーテル
容量
34cc
40cc
34cc
40cc
長さ
219mm
263mm
219mm
263mm
外径
14.7mm
15mm
14.7mm
15mm
材質
ポリウレタン
ポリウレタン
バルーン
外径
9.5Fr
8Fr
長さ
687mm
655mm
699mm
材質
ポリウレタン
ポリウレタン
止血具
止血具の有無
なし
なし
長さ
       
シース
内径
10Fr
8Fr
長さ
6inch
6inch
ガイドワイヤーの太さ
0.030inch
0.030inch
ガイドワイヤの長さ
145cm
145cm
成人用バルーンカテーテル
小児用バルーンカテーテル
(経皮的挿入用)
(外科的挿入用)
ARMシリーズ
TRUE8シリーズ
 
25/34/40cc
34/40cc
2.5/5/7/12/20cc

4 東海メディカルプロダクツ

1)バルーンの種類

東海メディカルプロダクツのバルーンの種類を表4に示す。日本人の体格に合わせたバルーン設計となっている。東京女子医大にて 心疾患患者の大動脈サイズの測定結果(図3) を基にL(40cc),M(35cc),MS(30cc),S (25cc),SS(20cc)サイズを設計し,5種類 のサイズバリエーンョンを準備している。

2)バルーンの仕様と性能

下肢虚血対策としてシースレスタイブや孔あきシースの開発を行ってきた。これらを使用することにより通常のシースを使用した時よりも下肢虚血防止効果は大きい。しかし, 下肢の血管が細い症例においては,それでも防ぎきれない場合があるため,力テーテル及び適応シース自体の細径化を行い,8Fr.のバ ルーンカテーテルを製作した。抗血栓性及び 強度の高いポリウレタンを使用することにより,バルーン破裂の少ないIABPバルーンとなっている。 小児用IABPバルーンは,成人用の設計コンセプトを基にして,川崎病患者の大動脈サイズからバルーンサイズを設計し,容量を 5cc,7cc,10ccとした。また血管が細いために特殊細径シャフトとし,小児特有の180bpm以上の高心拍にも追従可能である。 また,駆動応答性を重視した設計とし,心拍数150bpm以上の高心拍にも追従可能である。 現在市販されている全ての駆動装置におい て,安全かつ高い応答性,追従性を発揮できる設計になっている。また吉岡式IABPバルーン(図4)は,CAG・PTCAとIABPが同時に施行するこ とができる。セントラルルーメンを太くすることによって,カテーテル内にガイディングカテーテルを挿入可能とし,片側の穿刺(l ABP挿入部)のみでCAGやPTCAの施行を妨げることなくIABPを実施でき,またCAG・PTCAとIABPそしてPCPSの施行 も同時に行うことができる。

図3 胸部大動脈長と胸部大動脈直径との相関
図4 CAG・PTCAとIABPが同時に
試行できる吉岡式IABPバルーン
表4 東海メディカルプロダクツ社製IABPバルーンカテーテル
Size
MS
SS
容量(cc)
40
35
30
25
20
バルーン長(mm)
225
195
185
180
170
バルーン径(mm)
15.5
15.5
15.5
13.5
13.5
カテーテル径(Fr)
9.5/8
8.5/8
8.5/8
8.5/8
8.5/8
適応身長(cm)
160以上
160~140
140以下
シース挿入IABPバルーンカテーテル比較表(30cc・40ccタイプ)
メーカー
東海メディカル
品名
ダブルルーメンバルーン
8Frシース対応タイプ
バルーン
容量
30cc
35cc
40cc
30cc
35cc
40cc
長さ
185mm
195mm
225mm
185mm
195mm
225mm
外径
15.5mm
15.5mm
15.5mm
15.5mm
15.5mm
15.5mm
材質
ポリウレタン
ポリウレタン
カテーテル
外径
8.5Fr
9.5Fr
8Fr
長さ
700mm
710mm
700mm
材質
ポリウレタン
ポリウレタン
シース
内径
9Fr
10Fr
8Fr
長さ
110mm or 200mm(孔あきシース有)
110mm or 200mm
ガイドワイヤー太さ
0.035inch
0.025inch
ガイドワイヤー長さ
80cm/145cm
80cm/145cm
末梢温存型IABPバルーンカテーテル比較表(30cc・40ccタ
メーカー
東海メディカル
品名
シースレスバルーン
バルーン
容量
30cc
35cc
40cc
長さ
185mm
195mm
225mm
外径
15.5mm
15.5mm
15.5mm
材質
ポリウレタン
カテーテル
外径
8.5Fr
9.5Fr
長さ
750mm
材質
ポリウレタン
止血具
止血具の有無
あり
長さ
70mm
シース
内径
9Fr
10Fr
長さ
110mm or 200mm(孔あきシース有)
   
ガイドワイヤー太さ
0.035inch
ガイドワイヤー長さ
80cm/145cm

5.日本ゼオン

1)バルーンの種類

 日本ゼオンのバルーンの種類を表5-①、②に示す。バルーンの至適サイズは、バルーンによる大動脈閉塞や腹部臓器血行障害をきたさない範囲で、左室の1回拍出量に近いサイズが望ましいとされる。日本ゼオンは、解剖学的見地から日本人の体格に適したバルーン径、バルーン長及びカテーテル長を検討した。バルーン容量は30,40mlに加え、臨床医の要望に応えて35mlを追加した。

2)バルーンの仕様と性能

 下肢虚血を回避するために、カテーテルサイズを開発当初の9Fr.から7.9Fr.へサイズダウンしてきた一方で、細径化により頻脈、不整脈への追従性が損なわれぬよう、ヘリウムガスルーメンの有効断面積を広く確保した。そのため、アウターチューブの材質にナイロン、インナーシャフトの材質にニッケルチタニウム合金を採用してチューブを肉薄化し、さらにインナーシャフトをアウターチューブの内壁に固着させた。バルーン膜が摩減することから生ずるので、柔軟かつ耐摩耗性に優れたポリウレタン膜を開発した。また、日本ゼオンではIABPを駆動装置とバルーンカテーテルをシステムとし、他社駆動装置との互換性も併せて追求した。

表5-① 日本ゼオン社製IABPバルーンカテーテル
末梢循環温存型

製品名
単位
ゼメックスヘモプラグタイプ
バルーン容量
cc
35
35
40
バルーン材質
 
ポリウレタン
ポリウレタン
ポリウレタン
バルーン長
mm
210
214
243
バルーン外径
mm
15.3
16.3
16.3
カテーテル外径
FR
’9.0
’9.0
’9.5
カテーテル全長
mm
850
855
865
カテーテル有効長
mm
735
740
745
カテーテルタイプ
 
ダブルルーメン
ダブルルーメン
ダブルルーメン
ヘモプラグ付
ヘモプラグ付
ヘモプラグ付
カテーテル材質
 
ナイロン
ナイロン
ナイロン
ポリウレタンコーティング
ポリウレタンコーティング
ポリウレタンコーティング
ガイドワイヤー
 
コイル,モノフィラメント各1本
コイル,モノフィラメント各1本
コイル,モノフィラメント各1本
ガイドワイヤー長
mm
各1500
各1500
各1500
ガイドワイヤー径
インチ
032(モノ)030(コイル)
032(モノ)030(コイル)
032(モノ)030(コイル)
シースタイプ
 
ピールアウェイタイプ
ピールアウェイタイプ
ピールアウェイタイプ
シース径
FR
’10.0
’10.0
’10.5
シース長
mm
150
150
150
駆動チューブ長
mm
2200
2200
2200
製品名
単位
ゼメックス8Fシースタイプ
バルーン容量
cc
35
35
40
バルーン材質
 
ポリウレタン
ポリウレタン
ポリウレタン
バルーン長
mm
210
214
243
バルーン外径
mm
14.1
15.1
15.1
カテーテル外径
FR
’7.9
’7.9
’7.9
カテーテル全長
mm
850
855
865
カテーテル有効長
mm
735
740
745
カテーテルタイプ
 
ダブルルーメン
ダブルルーメン
ダブルルーメン
カテーテル材質
 
ナイロン/ニッケルチタン
ナイロン/ニッケルチタン
ナイロン/ニッケルチタン
ポリウレタンコーティング
ポリウレタンコーティング
ポリウレタンコーティング
ガイドワイヤー
 
コイル,モノフィラメント各1本
コイル,モノフィラメント各1本
コイル,モノフィラメント各1本
ガイドワイヤー長
mm
1500(バルーン)800(シース)
1500(バルーン)800(シース)
1500(バルーン)800(シース)
ガイドワイヤー径
インチ
021(バルーン)030(コイル)
021(バルーン)031(コイル)
021(バルーン)032(コイル)
シースタイプ
 
止血弁付
止血弁付
止血弁付
シース径
FR
’8.0
’8.0
’8.0
シース長
mm
175
175
175
駆動チューブ長
mm
2200
2200
2200

表5-②日本ゼオン社製IABPバルーンカテーテル
一般標準型

製品名
単位
ゼメックススタンダードタイプ
バルーン容量
cc
30
35
40
バルーン材質
 
ポリウレタン
ポリウレタン
ポリウレタン
バルーン長
mm
210
214
243
バルーン外径
mm
15.3
16.3
16.3
カテーテル外径
FR
’9.0
’9.0
’9.5
カテーテル全長
mm
850
855
865
カテーテル有効長
mm
735
740
745
カテーテルタイプ
 
ダブルルーメン
ダブルルーメン
ダブルルーメン
カテーテル材質
 
ナイロン
ナイロン
ナイロン
ポリウレタンコーティング
ポリウレタンコーティング
ポリウレタンコーティング
ガイドワイヤー
 
コイル,モノフィラメント各1本
コイル,モノフィラメント各1本
コイル,モノフィラメント各1本
ガイドワイヤー長
mm
各1500
各1500
各1500
ガイドワイヤー径
インチ
032(モノ)030(コイル)
032(モノ)030(コイル)
032(モノ)030(コイル)
シースタイプ
 
止血弁付
止血弁付
止血弁付
シース径
FR
’9.5
’9.5
’10.0
シース長
mm
175
175
175
駆動チューブ長
mm
2200
2200
2200

おわりに

近年、内科領域でのIABP使用症例が増加し、カテーテルの更なる細径化が求められている。すなわちインターベンションに使用したシース(6Fr.,7Fr.)からバルーンを挿入することが求められている。更なる細径化の条件として、バルーンの膜厚と形状の変更を各社検討している。また、冠血流のより積極的な増大、心臓以外の臓器(腎・肝・脳など)への血圧・血流の増大をもIABPの拡大適応とすると、バルーンの留置場所と目的により様々な形状のバルーンが起案されている。駆動システムの開発とあわせ、今後補助循環のひとつのテーマとなるであろう。

参考文献

  1. 筒井宣政,筒井陽子,神田克己;IABPのバルーンカテーテル,日本人の体格に合ったバルーンの開発,ハートナーシング9(6):568-573,1996
  2. 日本人の体格に適した小児用IABPバ ルーンカテーテルの検討;渡辺弘,宮村 治男,林 純一,et al,循環器科,40:613- 614,1996
  3. 添田信之,村上 亨,佐藤真也,et al, IABP(大動脈)の長さと径の検討,循環器科,41:331-332,1997
  4. 岡田昌義,松田昌三,小沢修一,et al, 補助循環からの離脱方法とその問題点- IABPを中心として-,臨床胸部外科,4:885,1984
  5. 西田 博,小柳 仁,バルーン破裂等のIABP合併症に関する全国14施設調査結果,循環器科,40:79-80,1996