学会・研究発表

学術論文

100)UIP Asian Chapter Meeting 2007 を振り返って 日本静脈学会 静脈学 2009 Vol.20 No.1 星野俊一

日本静脈学会 名誉会長
社会医療法人 福島厚生会 理事長
星野 俊一

International Union of Phlebology(UIP) の起源は 1909 年ドイツにおいて

Association of Specialists for Leg Diseases が組織され、機関紙を発行したことに遡る。この association は scientific society というより Professional association であったことより、 Societe Francaise de Phlebologie(SFP) が世界で最初の scientific phlebological association と見なされている。 1959 年に至り UIP は初代 President Erich Krieg (ドイツ、 1902-1970 )、 General secretary Pierre Wallois らによって組織された。現在 UIP の組織メンバーは Asia 、 Australia/New Zealand 、 Europe 、 Latin America 、 North America 等の 40 ヶ国、 37society より成り立っている。(表1) 第1回 UIP World Congress は 1960 年 Chambery France において開催され、多数の国から参加者が集まったと記されている。 UIP World Congress は以後3~4年毎に世界各国で開催され今日に至っている。 1986 年には日本静脈学会名誉会長坂口周吉先生が京都において World Congress を成功裡に主催なされた。(表2) 筆者の UIP との出会いは 1986 年京都における UIP World Congress に参加したことに始まる。以後 UIP 学会には積極的に毎回参加している。 1989 年筆者が福島県立医科大学心臓血管外科初代教授に選任された当時、脈管学に関する動向と新しい教室の研究テーマを探るべく、同年 9 月ほぼ連続して開催された International Union of Angiology(Rome) および UIP ( Strasbourg )の両学会に参加した。これらの国際学会の脈管系とくに phlebology の進歩発展は想像以上でありカルチャーショックを受けたことを覚えている。 UIP の学会としての Activity は4年毎に開催される World Congress の他に、その中間に Chapter Meeting を開催している(表3)。 UIP Chapter Meeting は Asia 、 Europe 、 Latin America 、 North America の四大陸を順次4年毎に廻り開催されるのが原則となっている。 Chapter Meeting の規模は4年毎の World Congress とほぼ同様のスケールで開催されており、筆者は 1993 年 Budapest 、 1999 年 Bremen 、 2003 年 San Diego と毎回 Council Meeting にも出席し参加してきた。 1993 年 Budapest で開催された UIP European Chapter Meeting では Symposium I“Endovascular Techniques” で Carlos Samparo(Buenos Aires) 、 Rodney White(Torrance) 、 Kenmeth Myers(Richmond) 、 John Bargan(La Jolla) ら錚錚たる メンバーとシンポジウムに参加し、筆者は Endoscopic Vascular Surgery について講演した。この Congress に於いて坂口先生か ら UIP 会長の Andre Davy(France) に新たな日本の UIP Council Member として紹介して戴いた。 Andre Davy から私の Venous Valvuloplasty をフランスの静脈学会誌に投稿するようにすすめられたがフランス語は出来ないので辞退すると、自ら筆者の 英文論文をフランス語に翻訳し掲載して戴いた (Valvuloplastie Externe Sous Controle Angioscopique Pre-Operatoire, Phlebologie, 46( n ゜ 3 ),521-530,1993 )。 2007 年に開催予定の Chapter Meeting の開催について日本立候補の打診があり、日本静脈学会理事会にはかり、 2001 年 Roma での UIP World Congress での Council Meeting で正式に立候補を表明した。 2003 年 San Diego での UIP World Congress の Council Meeting で投票の結果、対立候補の Turkey を大差で破って日本開催が決定した。 Council Meeting では日本静脈学会の Activity が評価されたのが勝因であったと考えている。


UIP Asian Chapter Meeting は 2007 年 8 月 18 ~ 20 日京都市 (Westin Miyako Hotel) で President 星野俊一、 General Secretary 重松宏のもとで開催された。 Asian Chapter Meeting では第 27 回日本静脈学会(太田敬会長)、第 3 回 Asian Venous Forum および Italian Society of Angiology and Vascular Medicine (SIAPAV) との joint meeting となった。外国からの参加者は 40 ヶ国、 171 名、トータルの参加者は日本静脈総会参会者を含め 500 名を超えた(表4)。 UIP Asian Chapter Meeting の abstruct は International Angiology vol.26 Suppl.June 2007 に掲載されている。 Symposium のテーマは① Prophylaxis and Treatment of Acute Venous Thromboembolism 、② Advances in Sclerotherapy 、③ New Therapy Concepts for the Treatment of Venous Leg Ulcers 、④ Midterm and Long Term Results of Endovenous Ablation 、⑤ Optimal treatment for Varicose Veins 、⑥ Practical Advantages of Endovenous Ablation であった。静脈学の各分野における最近の進歩、発展を網羅し、各国のエキスパートの講演や研究発表に接する機会を多くした。 President Lecture (History of phlebology in Japan), Plenary Lecture 2 題、 Evening Seminar 3 題、 Morning lecture 3 題、および Luncheon seminar 6 題を企画した。 Joint Meeting では Italian Society of Angiology and Vascular Medicine(SIAPAV) と合同で Venous Thromboembolism 8 題、また Asian Venous Forum では Optimal Treatment for Varicose Vein 7 題をシンポジウム形式で行なっ た。 UIP Asian Chapter Meeting で発表された一般演題は Oral Presentation 114 題、 Poster Presentation53 題であった。 UIP Asian Chapter Meeting 2007 は日本静脈学会および組織委員会の後援のもとで成功裡に開催することが出来た。筆者は京都での Executive Council Meeting において光栄にも UIP Honorary member に叙せられた(図1.)。日本静脈学会が日本脈管学会および日本血管外科と3学会が協力し英文誌 Annals of Vasenlar Diseases を刊行したことは、 UIP はじめ各国の Phelebology Society に新たなインパクトを与えるものである。今後更に国際的な Academic Society に羽博くことを期待している。