日経ヘルスケア2003 年1 月号第159 号「特集 こうすれば患者はあつまる」より 特別 医療法人福島厚生会・福島第一病院(福島市) 地元テレビ局の健康番組に出演し大きな反響
福島第一病院(星野俊一理事長、290床)では、1997年から毎年1回、著名人を招いて健康に関するテーマで講演会を開催している。参加者は毎回150~400人ほどで、これまで元マラソン選手の増田明美氏や芥川賞受賞作家の玄侑宗久氏などが演者として招かれた。
この講演会の狙いの一つは同病院について1人でも多くの人に知ってもらうことだ。同病院事務長の伊藤八重子氏は、「前座の第一部では、必ず当院の医師による講演を設けている。地域の人たちに、当院の手がける医療技術について知ってもらうよい機会だと考えている」と話す。
同病院がこのような取り組みを始めたのは、経営状態が悪化し、循環器疾患に専門特化して病院全体の建て直しを図ろうと改革を進めていた時期だった。「地域の人たちを啓蒙することが増患対策として必要と考えた」と理事長の星野氏は話す。
そして2002年6月には、地元の福島中央テレビの主催で福島第一病院の医師5人による講演会「健康フォーラム」(入場無料)を開催した。
このフォーラムをきっかけに、循環器病の予防に関する同局の健康番組の企画が決まり、同病院が取材されることになった。取材は福島第一病院で行われ、医師による病気の解説、手術場面、手術を受けて回復した患者へのインタビューなどを撮影し、「心臓と血管の病気」というタイトルの30分番組として放映された。番組の影響は大きく、その後しばらくの間は病院の待合の患者の間でも、その話題で持ちきりだったという。
星野氏は「番組の内容はとてもわかりやすく、よくまとまっていて、視聴者への啓蒙効果は予想以上だったようだ。病院にとっても、番組を見て検査を受けにくる患者が増え、PR効果は大きかった」と話している。